【質問】
先生の本やツイッターを拝見していて、
よく声帯の話が出てきます。
正直、声帯を閉じたり開けたりする感覚がよくわかりません。
どのようにすれば、声帯を動かすことが出来るのでしょうか?
動かしている感覚がつかめるのでしょうか?
教えてください。
よろしくお願い致します。
【回答】
声帯は男性で全長約2cmほど、
女性で約1.5cmほどのとても小さな楽器のため、
動いている体感がなかなかしにくいものです。
また、声帯は体表から目視出来ない場所にあるという事もあり、
色々な方が想像、イメージで
「自分はこう動かしている」
という話をする事がありますが、
その話の中には解剖学的にみると非現実的な動きもあったりして
面白い分野だと感じます。
さて、まず声帯を動かせるかどうかですが、
人は誰でも日常の中で声帯を動かして生きています。
具体的にお伝えすると、
人は呼吸をする時には空気を流入、排出するために必ず声帯を開きますし、
会話をする時には声帯を振動させるために
必ず呼吸時よりも声帯を閉じて発声しています。
ですので日常レベルで見ると
声帯を動かせない人というのはほぼ存在しないため、
声帯を動かせるかどうかよりも
声帯の開閉の動きを自分で自覚出来るかどうか、
自分の意志でコントロール出来るかどうか
という話になってくるでしょう。
声帯を閉じたり開けたりする感覚は
声帯の動きの中では比較的実感しやすいものではありますが、
それでも体性感覚の感度は人それぞれ違うので
動いている感覚を掴みやすい方とそうでない方がいます。
声帯の開閉感覚を掴む方法はいくつかありますが、
私がボイトレレッスンで使う代表的な方法をお伝えしますね。
1、まず息漏れのあるため息を「ハァ」とつきます。
(またはひそひそ声をイメージしながら「ハァー」と声を出します。)
2、次に張りのある声を「アー」と出します。
ため息、またはひそひそ声は
声帯が多少開いた状態の声になる事が多く、
また張りのある声を出した時には
声帯が閉じた声門閉鎖度の高い声になる事が多いです。
この二つの状態の発声を交互に出してみたりしながら
喉の体性感覚や音色、息の消費量の差などを実感してみるといいでしょう。
声帯は開いていると空気が漏れるため息の消費量は多くなり、
また声帯が開いていると声帯に空気の圧力も作りにくいため
声量や勢いのない声になりやすい特徴があります。
逆に声帯は閉じていると隙間から空気が漏れないため息の消費量は少なくなり、
声門加圧も高くなり声量や張りのある声になりやすい特徴があります。
声帯を開閉する動きが自由に出来るようになると
歌の中でも抑揚や表情の変化などを作りやすくなります。
また、声帯を閉じる動きは声量や喉のスタミナ作り、
高音の開発する上でも必要になってくるため、
ボイストレーニングなどで自分の意志で
ある程度コントロール出来るようになれるといいですね!
参考にしてみてください。
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