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【質問】
いつもメルマガやブログを楽しく拝読させて頂いている〇〇と申します。
AKIRA先生とはお会いした事はありませんがお優しい文章で、
いつもとても興味を持っています。
先生がよく仰っている『歌は力はいらない』という話ですが、
そうだと思いつつもやはり声量のある人を見ると
とてもエネルギッシュに感じます。
迫真の演技をしている声優の方などもパワーがありそうで。
そういう人達も全く力を使っていないのでしょうか。
お答え頂けたら幸いです。
宜しくお願いします。
【回答】
全く力を使っていないかというと、
厳密に言うと力は必要になります。
私達は力を使っていると認識しにくいようなわずかな動き、
例えば呼吸をしたり瞬きをしたりするのも、
全ての動作に筋肉の力を使っています。
これは発声する時も同じで、
声を出すためには息が必要になるのでその呼吸の力、
そして声帯を開閉させたりして震わせる力、
発音をするための舌や唇の力などが必要になります。
ですので力を全く使っていない、ということはないと思いますが、
ただその力をどのくらい使っているのかが人によって違う、ということです。
私の理論ではその力がより少なく、
そして発声器官を効率良く動かせた方が
歌などのボイスパフォーマンス能力は上がりやすいはずですが、
プロの歌手でも皆さん最大効率で歌ったり
声を出したりしているわけではありません。
その発声者がどのくらいの力を使っているかというのは
私は見るとある程度分析出来ますが、
一つ大事なことをお伝えしておくと、
「力を使わなくても声は出る、歌える」ということと
「声が出る、歌える人は力を使っていない」ということは
イコールにはならないのです。
強い力を使わずに歌っている人もいれば、
強い力を使いながら歌っている人もいます。
完全な脱力が出来なければ歌が歌えないわけでもありません。
その人の音楽活動や声の活動に支障がなければOKなわけです。
また、笑ったり泣いたり怒ったり、
人は何かの感情表現をしようとする時には
どこかに多少なりとも力を入れたりするものですよね。
ですのでそこから考えるなら、
力を全く使わないというのは逆に不自然なんですよね。
プロの声優の方も歌手の方も、
何かしら力を使うのが普通かと思います。
さて、私がボイトレでリラックスをお勧めしている理由でもありますが、
強い力に頼った発声と上手く脱力した発声だと
脱力している発声の方が大きなメリットがいくつもあります。
一つは、力みが少ないほど喉の筋肉は疲れにくくなるので
長時間の歌唱、連日の歌唱が問題なく出来るようになるという点です。
カラオケが大好きな方やライブ活動などをたくさんされている方は
疲れにくい、毎日良い声が出るというのは大きなメリットになります。
そして喉も枯れにくくなり、
声が出なくなる不安や恐怖から解放されやすくなります。
また、ボイトレの効果が出にくい理由の一つにも力みがありますが、
力に頼らない発声を身に付けていくうちにレベルアップしやすくなります。
力みによって発揮されなかった能力が
力が抜けることで発揮されやすくなることもあるので、
年齢に関わらず歌などの上達も見込めます。
声帯の運動効率が良くなるとより正確に機敏に動きやすくなるので、
単純に歌唱力も上がったり発声全体が良くなりやすい傾向もあります。
ですのでより上手くなりたい人に適した発声でもあるのです。
そしてもう一つあります。
人間の肉体は20代を境に筋力は衰えていきやすいものですが、
力に頼らない発声であればあるほど強い筋力を必要としなくなるため
全盛期の歌唱力を長く保ちやすくなります。
高齢になってもなお素晴らしい歌声を維持している方は
それだけ効率良く発声できているということになりますね。
このように脱力した発声にはメリットがたくさんありますので、
他の人達がどうかというよりも
自分がより良くなるために会得していくといいのではないでしょうか。
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