息は吐ききれば自然に吸えるからという事で、吐く事を重視して教わっているのですが先生のおっしゃる通り胸が痛くなってしまいます。あまりやらない方がいいのでしょうか?
回答:
「肺の息がなくなれば自然に吸える」
こうおっしゃっているボイストレーナーの方もいますが、
実践するかなりたくさんの人を見ていくと分かるのですが
実際には息がなくなってもちゃんと吸えない方はたくさんいたりします。
こうおっしゃっている方はそれをご存じないのかもしれません。
おそらくボイトレの本や、そう言っている他のボイストレーナーの言葉を
鵜呑みにしているのかもしれません。
僕も元々「息は吐く事が大事だ」と何年も教わってきて実践していた人間なんですが
自分で実践したり、また同じように実践している周りのたくさんの人達を見た結果、
そして様々なボイストレーニングの理論を勉強した結果、
今では吐き方よりも吸い方が大事だと思っています。
逆に吐くのをあまり意識しすぎるとデメリットや事故の可能性があるんですよね。
ですので全体で見るとマイナスの方が多いと思います。
息を吐くのが大事だ!と仰っている方は
「息を吐き切る」というのを重視させる事が多いのですが、
まず覚えておかなければいけない事として
基本的に肺の構造的に、肺の息は全て吐き出すのは不可能なのです。
(これ自体も知らないボイストレーナーは多いのですが)
それを力で無理やり出そう、なくそうとすると、特に肋骨に負担がかかります。
肋骨に負担がかかれば胸に痛みを感じるし、
長期間一定以上の負担をかけ続けていれば肋骨の疲労骨折が起こります。
また、声帯には「この音量を出すのに当てるベストな息の量」というのがあるんですが、
息を吐く事をあまり重視していると
そのベストな量を超えていつも息を入れすぎてしまう状態を作りやすくなります。
これは理屈でもそうですし僕の今までの指導の経験的に、
発声を鍛える上ではかなり大きいデメリットになってしまいます。
息を吐くという事を意識するのではなく、
歌の中でどう息を動かしたいか、流したいかのイメージを持ったり
声帯にどのくらいの息を当てるのか、どのくらいのスピードの息を吐くのか、
その感覚や計算がとても大事だと僕は思っています。
これは同じようで全然違う意識なんですよね。
そしてこちらの方が短期間で上手くなるケースが断然多いです。
僕は腹式呼吸自体を否定しているわけではありません。
むしろ腹式呼吸は大事だと考えているので、
おろそかにしていいものだとは思っていません。
でもだからこそ、意識の仕方で歌や声は良くも悪くも影響されてきます。
とりあえず呼吸について簡単に書くと、
・息は全て吐こうとする必要はない
・あまりに強過ぎる息は声帯の振動や閉鎖の邪魔をしてしまう事がある
・息の量を使わなくても太い声、大きい声、高い声は安全に出せる
この3つは覚えておくといいと思います。
参考にしてみて下さい(^_^)v
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