ボイトレブログ　～ボイストレーナーAKIRA公式Blog～

質問：

結節を作る歌手や声帯炎になる歌手は発声が悪いんでしょうか？

回答：

多分そう考えている方は実際かなり多いと思います。

でも原因の一つとしては考えられるんですけど、

必ずしもそうとは言えないので一概には決め付けられないと思います。

「発声が悪い歌手はすぐ結節を作ってしまう」とか、

よくボイトレの本を見てもありますよね。

「こういう発声は危ないです」と仰るトレーナーもいます。

個人的にも「うんうん」と共感出来る所もありますが、

でも例えばあるボイストレーナーが推奨する発声をしていても

結節を作ったり喉を悪くしてしまうケースはあるし、

その方が推奨しない発声をしていても

その歌手がずっと正常な喉のままでいられるケースもあります。

これはなぜでしょうか？

声帯結節や声帯炎が出来る原因には

発声の良し悪しだけでなくほかにも様々な理由があるからです。

ハードスケジュールで毎日長時間歌ったり、

風邪をひいているのに無理に歌ったり、

睡眠をしっかり取っていなかったり、

喉の血行があまり良くなかったり、

人と大声で騒いだりする事が好きだったり、

元々唾液の分泌量が少ない体質で口が乾燥しやすかったり、

その他の体質的な理由で声帯に影響が出たり・・・

という具合で発声以外にもたくさんの原因が様々に絡みあってくるので、

単純に発声の良し悪しという一部分だけで決め付ける事は出来ないんです。

特にプロの歌手は調子が悪いからと言って

ステージや公演をキャンセルにすることがなかなか出来ないので、

強行突破しようとしてさらに調子を悪くしてしまうケースもかなり多いです。

そういう表には見えない事情も絡んできます。

世界的に歌唱力を認められている歌手や歌姫でも

結節やポリープを作ってしまうケースはたくさんありますよね。

本当に素晴らしい声を持っていても、

年月が経つと昔のような声が出なくなってしまう歌手もたくさんいます。

彼らは全員発声が悪かったんだ、と果たして言えるでしょうか。

その人が「発声時に声帯にかける負担の大きさ」も

もちろん結節を作る大きな要素の一つに入るので、

別にこれを否定しているというわけではありません。

むしろこれに関しては僕は肯定派です。

ただ声帯炎や声帯結節になる、ならないに関しては

実際には体質や生活事情を含めたもっと様々なことが絡んでくるので

今回の質問に対しては

「可能性の一つとして考えられます」という答えになります。

ということで、前回から続けて結節関係のお話でした(o^-‘)b

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