呼吸

その18「腹式呼吸の注意」

今回は、誤解されている腹式呼吸の有名な例を紹介したいと思います。

何が合ってる、間違っているという判断は

なかなか一概には出来ませんが、

基本的に事故の可能性が伴うものや

発声に非効率なものはあまり良いとは言えないのではと思います。

一人歩きした腹式呼吸の中の一つで

「お腹が動くから胸は動かない」

と言う解釈のものもあるのですが、

逆に胸を動かさないように固定すると

呼吸しづらく不自然になるので注意しましょう。

そもそも呼吸の時は息は肺に入るのが普通なので

胸は動いて当たり前なのです。

腹式でも同じように胸は動きます。

と言うことで、

胸式呼吸=胸が動く

腹式呼吸=胸が動かない

ではないという事を頭に入れておきましょう。

そして腹式呼吸の流派によって、

「腹式呼吸は楽に」と言う考え方と

「腹式呼吸は思いっきり強い力を使う」と言う考え方があります。

強い声を出すには声帯がよく閉まっていて、

息の圧力を強くかけないといけません。

太い声を出す時には喉の奥を

大きく開けなければいけません。

これらは両方とも強い呼吸の力を利用すると一見出しやすいのですが

注意していないと力を強く使おうとした時に

お腹だけではなく肋骨の筋肉、肋間筋などにも力が入りやすいので、

そこに強く力をかけ続けると骨に負担が来て

まれに肋骨や胸骨などの骨折の可能性が出てきます。

また、腹式が出来ていても

腰が弱い人は腰に負担が来る事もあります。

僕は昔はこの「思いっきり力を使う」呼吸法を何年も教わっていて、

「歌は呼吸」、「呼吸はとにかく体力勝負」

みたいな考え方でやっていたのですが、

同じ流派の生徒が肋骨を骨折したのを見たり

他の流派を色々勉強していくうちにそれを止めました。

ただ昔ほどではありませんが、

今も僕自身はお腹以外に力が入らない範囲で息を吐く力は使っています。

やみくもに色んな所に強く力をかけたりとか

骨に強く負荷がかかるように力を入れると良くないと言うだけで、

力を使う事自体がダメだと言っている訳ではありません。

個人的には効率良く力を使う事が大事だと考えてます。

どういう歌を歌いたいのか、

その歌を歌うためにどこの力が必要で

それをどこで負担するのか、

そしてその人がどういう体を持った人間なのか、

これによって正解は様々だと思っています。

「本人が満足して歌えればいい」が僕の理念でもあるので

その人の望む声が出しやすい呼吸でいいと思うのですが、

あまり過度に呼吸に力を入れる場合はどこに力をかけているかに気を付け、

そして肋骨や胸骨、また背骨などへの負担

気を付けておいた方がいい事を覚えておいて欲しいと思います。

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