発声

コスパの良い発声を作ろう!

こんにちは、ボイストレーナーAKIRAです。

今回は、「コスパの良い発声」=「効率の良い発声」の解説をしていきたいと思います。

目次

いかに楽に、いかに効率良く出すか

ボイストレーニングで追及していくことは、
「いかに声を楽に、そして効率良く出すか」です。

この考え方を原則としてトレーニングを行うと効果が出やすいのです。

例え魅力的な声が出せていたとしても、
それが15分、30分で声が枯れてしまう発声ではカラオケや歌手活動に支障が出てしまうでしょう。

逆にリラックスや負担軽減を追求していった結果、
声が楽に出るようになったとしてもその歌声に魅力がないとしたらそれも問題です。

どちらかが失われてしまうのではなく、
魅力と負担軽減の2つが両立できる発声や歌声を目指していきましょう。

この2つはどちらか一方しか選べないトレードオフなものではなく、
質の高いボイストレーニングにより両立が可能なのです。

声を出すのに使っていた無駄な力や浪費をどんどんなくして、
“コスパの良い高音発声”を目指していきましょう。

声帯を上手に鳴らすにはリラックスさせること

左右にある2枚の声帯は合わさっていることで振動が起こります。

例えば左右の声帯の間に隙間が空いていると息が漏れてしまい、
声帯に呼気の圧力が作れなくなるため、その分音量は小さくなってしまいます。

では「じゃあ声帯は閉めればいいのか!」と強い力で声帯を固めてしまうと、
声帯は振動体なので上手く震えなくなってしまいます。

力みのせいで声帯の粘膜波動が邪魔されてスムーズに音は出なくなるんですよね。

また、喉頭の力みのせいで2枚の声帯がズレて噛み合わなくなることもあります。

声帯がきれいに合わさるためにも喉頭や声帯のリラックスが必要ですし、
合わさった声帯が最も振動しやすい柔らかさを作るためにもリラックスが必要なのです。

脱力はボイストレーニングにとって最も大切なポイントとなります。

いかに力みなく声帯を閉じていくか、
そして閉じながら最も震えやすい状態にするか、と考えていくのが良いでしょう。

ピアノやギターで考えてみよう

ピアニストやギタリストをイメージしてみましょう。
彼らは指や手首のパワーに任せて手首を固めて演奏しているように見えるでしょうか。

私も長年ピアノを弾いてきているのである程度詳しいのですが、
力で押し切って演奏している方はいたとしても少数派だと思われます。

多くの一流のプレイヤーは脱力を徹底することで、
素早い動きに対応したり、音の響きを良くしたり、長時間の演奏に耐えられるスタミナを身に付けているのです。

力に頼らない演奏をするので高齢になってもなお超絶技巧の演奏が可能だったり、生涯現役でいることができます。

楽器奏者もみんなリラックスを重視しているのです。

ですので声も同じように考えてみるといいでしょう。

声帯は体内にあるので通常の楽器とは違う部分もたくさんあります。

年齢によって楽器の形が変わってきてしまうのでメンテナンスやケアが必要ではありますが、
リラックスを重視した発声を身に付けていくことで良い声を長く保つことができるでしょう。

そう、声もパワーで押し切る発声ではなく、
より効率の良さを重視して省エネでリラックスした発声が良いのです。

赤ん坊や子供はなぜあれだけの大きな声を出せる?

生まれたての赤ん坊ってものすごい元気な声を出しますよね。

彼らや小さい子供はなぜ生まれついてあれだけの声量を出すことができるのでしょうか。

その答えを考えていくと、発声はパワーではない、ということが分かるはずです。

赤ん坊は生まれついて発声の筋肉や横隔膜、全身の筋肉がかなり発達しているのでしょうか。
そんなはずないですよね。

生まれたての赤ん坊には強い筋力はありません。
しかし彼らはみんな大きく響く声を出しています。

赤ん坊や幼少期の声帯は特に弾性に優れていて振動しやすい、など細かい理由はいくつかあるのですが、

彼らの声は、声帯はしっかり鳴りさえすれば力を使わずとも大きな声量、
響きのある声が出せるということの証明だと思います。

私たちには大きい声を出すには強い力が必要だというイメージが染みついていますが、
それを上手く取っ払うことが出来ると効率の良い発声に近付いていくことが出来ます。

声量がしっかり出る、声が響くにはいくつかの条件がありますのでそこを少し見ていってみましょう。

声量を作る3つの要素

声量を作るには主に3つの要素があります。

声帯の振動効率
呼気圧(息の圧力)
共鳴効率

この3つを掛けた合計が大まかな声量となります。

式で表すなら、

声量 = 声帯の振動効率 × 呼気圧 × 共鳴効率

こんな感じになるでしょう。

声帯の振動効率とは、2枚の声帯の閉鎖度合いや振動のしやすさのことです。
左右の声帯の間に開いていて隙間があったり、また声帯が過度の力みなどで振動しにくい状態だと振動効率は悪くなります。

呼気圧とは声帯にかかる息の圧力のことです。
吐く息の強さがあったとしても呼気の圧力は声帯が閉鎖していなければ作れないため、
呼気圧は声帯の閉鎖度合いに比例します。

共鳴効率とは、声帯から生まれ出た音がその後口と鼻から出ていくまでの通り道の間で
どれだけ響いて音量が増幅されるかという部分です。

注目したいポイントですが、ここに身長や体の大きさは入っていません。

要するに、体格などは声量にはほとんど関係ないのです。

これは先ほども紹介した子供や赤ん坊が大きく響く声を出せるのを考えると分かりやすいと思います。

体が大きい方が大きく響く声が出そうなイメージがあるかもしれませんが、そこはイコールとはなりません。

ですのでもしご自身の体が小さかったとしても、それをマイナスに感じたり諦める必要はありません。

しっかり声の仕組みを理解して、自分が持っている可能性を知っていきましょう。

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