Q&A

プロになれる人となれない人の差ってどこにありますか?

※メルマガでのQ&Aを掲載しております。

【質問】

始めまして。

先生のメルマガとブログ、いつも楽しく拝見させて頂いています。

先生が過去に見てきた中、
プロになれる人となれない人の差ってどこにあると感じますか?

ご回答よろしくお願いします。

 

【回答】

プロになれるかなれないか、という話ですが
私が今までボイストレーナーとして、
またライブカフェの経営者として多くのアーティストを見て
感じてきたことをお伝えしますね。

 
プロになれるかどうかには
かなり様々な要素が絡んでいるように思います。

ただ要素が多過ぎて
細かく説明しようとすると
とてもここでは伝えきれないのと、
またこれはたった一つの定型的な正解があるわけではなく
プロの数だけ正解の形があったりします。

全てのケースを説明するわけにもいかないので、
今回かなりざっくりした内容をお伝えする程度になりますので
ご了承くださいね。

 

さて、プロとアマチュアの定義を

「その道で食べていけるかそうじゃないか」

という考え方にするのであれば、
その要素はどこで決まるかというと
実は歌の上手さではなかったりします。

厳密に言うと、歌の上手さも関連しますが
それだけではない、というのが正しいでしょうか。

 
「歌がとても上手いけどその道で食べていけない」

という人は実は日本中、世界中にたくさん溢れています。

そしてこれは歌だけに限った話ではありません。

例えば何年も専門的な教育を受けて有名な音大を卒業したり
名のあるコンクールで賞を取ったりするような声楽家や器楽奏者でも
食べていけていない人が多いのが現状です。

 

ちょっと無粋な話になってしまいますが、
食べていけるかどうかというのは
言い換えるとお金が稼げるかどうかの話なわけです。

端的にお金を稼ぐ力がどれだけあるかが重要です。

 
お金を稼ぐ力というのは、

「あなたにお金を払いたい」

と思う相手(つまりファン)を何人作れるか。

またその相手にどのくらいの金額を払いたいと思わせられるか
という人を惹きつける魅力になります。

 

例えば有名なアーティストのライブには行きたい人も多いですが、
それだけではなくチケットが高くてもみんな買いたいと思いますよね。

CDやグッズも買う方が多いでしょう。

このようにファンが多い、お金を使いたいと思う人が多いと
そのアーティストはお金を稼ぎそれで食べていくことが出来ます。

 
自身のファンが少ない状況、
お金を使いたいお客が少ない状況は、
言い換えると自分の魅力がまだ足りていない、
または周りにその魅力を上手く伝えきれていない状況とも言えます。

ですのでそういう方は自分の魅力を努力と工夫で高めていったり、
自分の魅力の伝え方を学んでいくと良いでしょう。

そうして自分の需要を増やしていけば、
歌でお金を稼げる手段を作っていくことが出来ます。

 

物の価値というのは希少性があるかどうかが関与します。

希少性があったり他の代わりが利かないものには
沢山の人が求めたり高い値段がついたりするものです。

 
「歌が上手いかどうか」

これも大切なことではあるのですが、
もし仮に世の中の人みんなが自分と同じくらい歌が上手かったとしたら
自分の歌の上手さには希少価値は生まれないでしょう。

別に他の人の歌でも同じくらいの感動ができてしまうからです。
 

現代では世の中のアーティストの歌のレベルは益々上がり、
一般人でも歌の上手い人は増えています。

その中で自分の歌に大きな価値を作っていくためには
その人達よりさらに上手い歌を歌っていくか、
または歌の上手さ以外の別の要素で
人を魅了、感動させる部分を作るかのどちらかになります。
 

本気で食べていきたいと思った場合には
こういう考え方が出来ることも大事だと思います。

希少性や優位性を見つけていくことが活路になるんですよね。
(もちろん何も考えずにやっているだけで希少性や優位性を作れたというケースもありますが)
 

そうやって自分のファンをたくさん作ればいいわけですが
自分一人でこのようなファン作りが出来るかどうか、
もしくは自分がそれが苦手であるなら
ファン作りを代行してくれる事務所やパートナーと
上手くタッグを組む事が出来るかどうかが重要です。

以前のアーティストはこういうマーケティングはあまり考えず、
音楽に集中し他は全て事務所任せにしているケースが多かったです。

が、現在の音楽業界の市場規模では
段々それが成り立たなくなってきているため、
人件費を使わない個人、または少人数で
あらゆる作業がこなせることが求められています。

ですのでより器用な人、商売上手な人が生き残っている印象はあります。
 

ただ歌や音楽作品にはその人の心や生き様が宿りますから、
マネタイズだけを考えている人の音楽が
本当に素晴らしい作品になるかどうか、という問題もありますが。。

この辺もバランスが大事ですよね。
 

でも食べていけるかどうかという点でお話するなら
大事なポイントはこの辺りになってきます。

 

また、時代によって
稼ぎやすい、稼ぎにくいジャンルが存在しています。

今はアイドルが主流ですが、
その昔はジャズやフォークソング、グループサウンズが流行り、
さらには演歌が主流な時もありました。

もっと何百年も前に遡れば
歌舞伎や狂言が主流な時代もあったわけです。

 
時代によって人の好みや価値観などはどんどん変わります。

ファンを多く作るには上手く時流に乗っているか、
自分の演奏、歌が人を惹きつけやすいかどうかも関わりますよね。

 

さて、もっと細かく話は出来るのですが、
文字数が増え過ぎたため今回はここまでになります。

何かあれば別途また細かくご質問ください。

参考にしてみてくださいね。

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