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【質問】
僕は発声の調子が悪い時に、
hiB近辺を行き来する歌で表声が出てきてしまい、
ミックスがブレイクしてしまいます。
逆にhiE近辺の超高音は
「裏声を使わざるを得ない」ためかそちらの方が楽で、
それで調子が取り戻せたりします。
僕は表声の訓練をすべきでしょうか?
【回答】
メルマガ内での回答ということで、
見ている方にもある程度分かりやすいように
少し補足や解説を入れながらお答えしていきますね。
ある一定以上高音を出したい時には
地声の力だけでずっと上がっていくのは難しく、
声の出し方を少しずつ裏声に切り替えなければいけません。
この時に急に声がひっくり返ってしまうことをブレイクといい、
ひっくり返らずにスムーズに移動できる状態を
(地声と裏声が)ミックスしていると言ったりします。
さて、声帯の筋肉の動き方の特徴について少し解説します。
かなり大雑把な説明になりますが、
地声と裏声の二つで考えていってみましょう。
ちなみにこの質問者さんの表声という表現も
ここでは地声と呼ばせて頂きますね。
意味は同じだと考えてもらえたらと思います。
人によって誤差は結構あるのですが基本的に、
地声の発声は声帯の閉鎖が得意な反面
高音を出すための声帯を引き伸ばす筋肉が動きにくい特徴があります。
裏声はその逆で、声帯の閉鎖が苦手な反面
高音を出すための声帯を引き伸ばす筋肉が動きやすい特徴があります。
巷で言われているミックスボイスは、
地声発声の時に優位に働く声帯を閉鎖の筋肉と
裏声発声の時に優位に働く声帯を引き伸ばす筋肉を動かしやすくし、
声帯の閉鎖と伸展を同時に行えるようにすることで
地声のような強い声で裏声のような柔らかさや
楽な状態を体得することが出来ます。
さて、hiB付近ということで
この質問者さんは一般の方よりもかなり高い声が出せると認識しますが
男性の声がひっくり返るポイント、喚声点の一つが
大体hiA~hiC(A4~C5)の間辺りに存在します。
その付近では声の出し方をより裏声寄りに切り替えなければ
基本的にそれ以上は苦しくなり
スムーズに高音に上がっていけないことが多いです。
そこで苦しくなる場合は
表声(地声)の訓練よりも裏声の訓練が主になってきます。
実際HiE近辺の超高音を出していると
調子が取り戻せたりする、ということですが、
これはその付近の高音の裏声を出すことによって
声帯の閉鎖と伸展のバランスが良くなって調子が戻った、
ということかなと判断します。
声帯は伸展させないと高音で苦しくなりやすいのですが、
伸展させるには地声側からだけのアプローチでは難しく
基本的に裏声側からのアプローチの方が
私の過去の経験上上手くいく確率は高いように思います。
ですので表声だけを出すよりは
裏声に移行したり行き来しながら使用する息の量を減らしたり
より息の漏れを減らしていったりして声帯を上手く合わせていくと
ブレイクは目立ちにくくなるでしょう。
また、ブレイク付近では声帯は力みやすくなるので
喉が硬くならないように注意しておくといいですね。
ということで、私の回答としては
表声の訓練自体はそこまで必要ないと見ています。
もちろん鍛えるやり方はこれだけではなく
複数あると思います。
その一つとして参考にしてみてください。
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