【質問】
喉は、相変わらず慢性声帯炎です。
この間、音楽やってる友達に、ピッチが甘くなった、
耳の精度も落ちたんじゃない?って言われました。
声帯の調子が良いときと悪い時の差が激しいのですが、
調子が良いときでも、地声と裏声の切り替わりの辺りが、
酒やけしたニューハーフみたいな感じになります。
どうにか綺麗に声を出せないか、
しばらくそこばかり練習するのですが、
そういう時は、無理に使わずソッとしておいたほうがいいですか?
【回答】
慢性声帯炎との事、喉を酷使しているようですが、
特に最近は冬場になり乾燥してきているため
声帯は炎症しやすい季節になってきています。
労わりながらお大事にされてくださいね。
声帯は炎症を起こすと
浮腫が起こり発声時の振動体積は重くなり、
基本的に発声者は声の操作がしづらくなります。
声帯が重くなることで主に高い声が出にくくなったり
不周期振動による雑音が混ざったり、
歌う際の細かい音程が取りにくくなったりします。
また腫れによって左右の声帯に間隙が出来た場合は
声は掠れてきたり息の浪費も増えてしまう事でしょう。
炎症を起こしている状態でずっと発声を繰り返すと
さらに炎症を強めることになり、
掠れや声枯れもどんどん増していく事があります。
ですので歌を全然歌ってないわけでなければ、
耳の精度が落ちたかどうかというよりは
声帯炎による調子の悪さによって
ピッチが悪くなったと考える方が自然かと思われます。
「酒やけしたニューハーフ」という表現ですが、
おそらく切り替わりの声質や声量の差が大きいということでしょうか。
声がひっくり返りやすい、
地声と裏声の段差が目立つというのも
声帯が炎症して質量が重くなっている時に出やすい症状の一つです。
声をきちんと聴けていないので断定が出来ないのですが
頂いた文章の状況からこちらで考えると、
とりあえずは無理に声を使わずに
少し休ませてみるのが良いのかなと思います。
現在されているお仕事の事もあるので
喉を休ませるといっても完全な休養は難しいかもしれませんが
上手く喉のケアをしながら炎症の収まりを待ち、
回復してからしっかり練習をされてみるといいでしょう。
私がメルマガに書いている
風邪防止の方法も声帯のケアには良いのですが、
その他にも日頃から簡単に行える
喉の炎症を抑えやすくする方法を1つ挙げておくので
厳密にではなくていいので軽く意識してしてみるといいと思います。
声帯表面は乾燥すると発声時の摩擦刺激が強くなるので、
声帯の負荷を減らすには声帯表面の潤いを保つことが大切です。
少しでも声帯の乾燥を防止をするためには、
普段口呼吸を避けて鼻呼吸をしてみるといいでしょう。
私は歌う時は鼻と口両方から吸いますが、
基本は鼻から息を吸い、
鼻で吸いきれなかった分だけを口で吸うするようにしています。
鼻腔内には体液が常に流れていて、
その体液が内腔を高湿状態に保ってくれています。
ですので鼻から吸った空気は
鼻腔、咽頭を通り抜けていくうちに湿度が高まり、
声帯に届く頃には湿度90%以上になると言われています。
(外部の空気の湿度によってもパーセンテージは変動はするでしょうが)
湿った空気が声帯に届く事で
声帯の潤いも保たれやすくなります。
口腔でも唾液が流れていますが、
口腔は鼻腔と比べると空気の通り道が広いため
口から吸った空気は乾燥したまま声帯に届いてしまいやすいのです。
ですので口呼吸の人は声帯も乾きやすいと言われています、
口と鼻からの吸気の割合を変えるだけでも
声帯の潤いになり多少炎症を抑えやすくしてくれる事でしょう。
また、マスクをしたりする事もおススメします。
マスクを装着していると
呼気の湿気をマスクの内側に留めて外に逃がさずに
再び吸った時に気道内に取り込めるので
風邪の予防だけでなく実は喉の乾燥防止にもなります。
(乾燥防止はウイルスの粘膜付着防止にもなり、結果風邪の予防にもなっています)
慢性声帯炎もそのうち治まるといいですね。
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