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【質問】
こんにちは。
AKIRAさんに興味があったので一つ質問させて頂きます。
私が今教わっている先生はクラシックの方なのですが
昔と比べて上手い歌手が減ったとお話されます。
でも別の先生は上手い歌手が増えたと話されていました。
先生はどうお考えですか?
考えをお聞かせ頂ければお思います。
【回答】
私の印象と根拠の中での話になりますが、
世の中の歌が上手い歌手は明らかに増えています。
プロの世界でもそうですし、
アマチュアや素人の方にも
比率的に歌が上手い方がどんどん増えています。
ただ昔と今では
「歌の上手さの基準」が少し変わっているので、
ある基準から見ていくと
上手い歌手が減っているように思えるのかもしれません。
が、私から見ると
歌が上手い歌手はどんどん増えている、
という答えになります。
上手くなってきている理由の一つは
どんどん日常で歌を気軽に聞ける環境が作られてきていることがありますが、
人が聴く、歌う楽曲が難しくなってきていることにあります。
音楽市場の主体であるJpopで見ていきますが、
昔と比べてメロディは難しくなり、
音域はより高くなり、
リズムやテンポは速くなり、
伴奏のコード進行も種類が増えたりテンションを多用しています。
人は音楽を聴くと脳が刺激されますが
複雑な音楽を聴けばそれに感覚が順応していきます。
厳密に言えば音楽の聴き方によっても
楽曲への理解や脳の刺激のされ方は変わるのですが、
複雑な音楽をたくさん耳にすることで
音楽的なカンは良くなりやすいんですよね。
そして複雑な楽曲をたくさん歌うことで、
その人の歌うカンはより鋭くなっていきます。
ちなみに「複雑な歌」と「魅力的な歌」というのは
イコールにはならないのですが、
世の中の流行歌が複雑になってきたことにより
音楽的な能力が高い人は以前より増えたと思います。
そして元々日本人は他の国と比べても
歌好きが多い人種と言われていますが、
昔と比べて歌を習う人口やカラオケを歌う人口は爆発的に増えました。
ネットや書籍などでも
歌やボイトレのノウハウが手に入りやすくもなりました。
これらもみんな歌の上手さを高めている要因になっています。
歌が上手い人が少なくなったという意見についてですが、
私の分析している答えが一つあります。
ボイトレの観点から二つお話すると、
ゆったりした簡単でシンプルな曲を完璧に歌うことと、
テンポが速くメロディが複雑で音域が高い曲を完璧に歌うことでは
難易度が全く違うのです。
曲自体が難しいと粗も目立ちやすくなりますが、
聴いている人は曲の難易度をいちいち考えたりはしません。
簡単な曲も難しい曲も同じように捉えるはずなので、
印象として例えば難しい楽曲を歌っていてミスがあると
シンプルな曲を完璧に歌うよりも
下手に聞こえてしまう方もいるでしょう。
また、一般的にボイトレでは
「太くて強い声が良い声だ」
という基準があります。
昔と今の歌の流行の違いで言うと、
昔と比べて細くて高い声、軽い声、ハスキーな声などが
流行の歌声になってきています。
音響機器の発達により
お客に歌を聴かせるための声量がいらなくなったことも関係あるのでしょうが、
昔と比べて力強い歌、エネルギッシュな歌は
割合的に少なくなったように見えます。
ですのでその基準のまま見ると
現代の歌手の歌声は弱々しく感じてしまい
上手くないように見えるかもしれないですね。
でも現代の歌はどんどん多様化し、
その技術はどんどんハイレベルになってきていますよ。
そしてそのために必要な発声レベルもどんどん高くなってきています。
しっかり声とテクニックを鍛えて、
よりレベルの高い歌を目指してみてください。
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