こんにちは、ボイストレーナーのAKIRAです。
このブログでも色々と記事を書いていますが、発声しづらくなる、高音が出にくくなる原因というのは沢山あり、一律でこれをやればいいよという単純なものでもなく原因ごとに対処法が違います。
今回はボイストレーナーとして経験してきた中で、アレルギーが原因で声が出づらくなるケースをご紹介します。
花粉症の時期になるといつも声が出なくなる生徒さん
ある生徒さんは、毎年春になると決まって高音が出にくくなっていました。
ボイトレレッスンでも、いつもは軽やかに声が出るはずの場所で、声がかすれたり詰まりやすいです。
詳しく話を聞いてみると、その生徒さんは重度の花粉症でした。
花粉症というと鼻水やくしゃみが主な症状と思われがちですが、花粉は人によっては喉の粘膜にも炎症を起こします。
喉がイガイガしたり、乾燥して張り付くような感覚になったりするのも、花粉アレルギーによる反応の一つです。
喉に炎症が起きると声帯も影響を受けます。
声帯が腫れた状態で無理に声を出そうとすると、声帯に余計な力が入ったり綺麗に振動が起こらないので、より声が出しにくくなる悪循環に陥ってしまいます。
ハウスダストのアレルギーで高音が出にくくなった生徒さん
もう一人印象的だったのが、部屋の掃除を怠っていた時期に急に高音が出なくなった生徒さんです。
その生徒さんは元々ハウスダストのアレルギーを持っていたのですが、忙しさから部屋が散らかり、ほこりが溜まってしまったそうです。
レッスンに来るたび喉に痰が絡んだり、咳が出やすくなったりしていました。
喉の不快感が強いため、発声も不安定になりがちでした。
ハウスダストが喉に入り込むと、花粉と同じように声帯やその周辺の粘膜を刺激します。
その結果、喉に炎症が起きたり、痰や後鼻漏(鼻水が喉に垂れること)が増え声帯がスムーズに振動しにくくなってしまいます。
高音を出すためには声帯の繊細な動きが必要なので、こうした声帯の炎症や物理的な刺激がマイナスに作用します。
アレルギーでなぜ声が出にくくなるのか
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが体内に入ると、免疫システムが過剰に反応しヒスタミンなどの化学物質が放出されます。
これが喉の粘膜の炎症や腫れを引き起こします。
炎症が起きると声帯はむくみ、普段より厚みを増してしまいます。
健康な声帯は薄く、しなやかに振動しますが、むくんだ声帯は動きが鈍くなり、思うように高音が出せなくなってしまうのです。
アレルギーで声が出にくい場合は喉を休めるだけでは治らない
「喉が痛い」というと、一般的には「休めば治る」と考えがちです。
しかしアレルギーが原因の場合は、ただ喉を休めるだけでは根本的な解決にはなりません。
アレルゲンに接触する限り、喉の炎症は繰り返されてしまうからです。
このような場合、大切なのは次の2つの対策です。
- アレルゲン対策: マスクの着用、部屋のこまめな掃除、空気清浄機の利用など、アレルゲンを避けるための対策を取りましょう。
- 専門医への相談: 症状がひどい場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。適切な薬を処方してもらうことで、炎症を抑え、発声しやすい状態に戻すことができます。
まとめ
アレルギーは単なるくしゃみや鼻水の症状だけでなく、喉の炎症を引き起こし発声に大きな影響を与えます。
特に高音は声帯のわずかな変化で出にくくなってしまうため、アレルギーによる声帯のむくみは致命的になりかねません。
「最近、高音が出ないな」
「喉がイガイガするな」
と感じたとき、もしアレルギーを持っているなら、ボイストレーニングと合わせてアレルギー対策を考えてみてください。
適切なケアをすることで、声帯は本来のパフォーマンスを取り戻し、あなたの歌声も改善していくはずです。
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