ボイトレ

発声練習で出す声と歌で使う声はまた別である。

こんにちは。ボイストレーナーAKIRAです。
ボイトレをしている方とやり取りをしていると、発声練習時の声と歌声を混同してしまっている方が多いと感じます。
今回は「発声練習で出す声」と「歌で使う声」はそもそも目的が違うという点について解説します。

発声練習は運動でいう筋トレ

流派にもよりますが、発声練習はスポーツにおける筋力トレーニングに似ています。
発声練習は声帯周り、発声の筋肉をピンポイントで強化し、実際の歌の練習ではそれらの筋肉を使いながらどのような表現をしたり感情を乗せるかを考えていきます。

たとえばサッカー選手がスクワットで脚力を鍛える時、そのスクワットの動きを試合中にそのまま使うわけではありませんよね。
スクワットで培った爆発的な脚力をドリブルやシュートといった実際の動きの土台にするのです。

発声練習の声をそのまま歌で使うわけではない

発声練習は特定の筋肉を鍛えるために、あえて不自然な発声をすることがあります。

例えば声を響かせる練習で「ささやくような弱い声」「鼻にかかった声」「オペラのような太い声」といった、普段の会話や歌では使わないような、極端な、あるいは大げさな声を出すことがあります。

この時出した声は、あくまでその筋肉を効果的に使うための訓練用の声です。
その声をそのまま歌のメロディに乗せてしまうと、かえって不自然で単調な歌声になってしまいます。

歌は感情や言葉を伝えるための芸術です。
発声練習で得た「声帯のコントロール能力」を使い、歌の時には「より自然で、楽曲に合った表現力のある声」を組み立てる必要があります。

声帯の筋肉運動を行うことで歌が歌いやすくなる

発声練習の最大のメリットは「声帯の筋肉運動を行うことで、歌が歌いやすくなる」という点です。
地道なトレーニングで声帯の開閉や伸展(伸び縮み)のコントロールが格段に向上します。

その結果、

  • 音域アップ
  • 音程が正確になる
  • 声量や響きを自在に調整できる
  • 歌っている時の疲労が軽減される

これらの基礎能力が向上することで、歌唱中に難しいテクニックに気を取られず表現や感情に集中できるようになれるでしょう。

発声練習と歌は一部切り離して考えよう

発声練習は「歌のための基礎体力作り」と割り切って、一部切り離して考えることをお勧めします。
トレーニング中に出た発声練習の声を、そのまま歌でのゴールにするわけではありません。
「この声は歌では使えない変な音色だなぁ」と考える必要はないのです。

トレーニングで得た「運動能力(操作性)」に注目し、実際の歌では

  1. 歌の表現に合った響きを意識する
  2. 言葉や感情を大切にして声を出す
  3. 発声練習の時の力みを抜きリラックスして歌う

というように意識を切り替えてみましょう。

まとめ

発声練習と歌の関係についてまとめます。

  • 発声練習は筋力トレーニング:声帯の基礎能力を向上させるための手段。
  • 発声練習の声は訓練用の声:その声をそのまま歌に持ち込もうとする必要はない。
  • 歌で使う声は応用技:鍛えた能力を使い、より自然で表現力豊かな声を作り出す。

トレーニングの成果はあなたの歌に反映されます。
歌と発声練習の「意識の切り替え」を上手に活用してくださいね。

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