ボイトレ

高い声を出すなら喉の負担軽減を考えよう。

こんにちは、ボイストレーナーAKIRAです。

「高い声」というのはボイストレーニングでも
多くの人の関心を惹く部分でよく見かけるワードですが、
今回は高音発声の喉への負担について考察してみます。

〜高い声は喉の負担も増えやすい〜

高い声ほど喉に負担が来やすい2つの理由

音高と声帯の振動回数の関係

高い声を出す時、その音が高ければ高いほど
声帯には大きく負担がかかります。

これは音高と声帯の振動回数の関係が理由となります。

高い声を出す時には声帯は振動する数が上がります。

振動数が上がると左右の二枚の声帯は擦れる回数が増えるため、
声帯粘膜表面が傷ついたり炎症を起こす確率が増えるのです。

ちなみに声を出す高さが1オクターブ上がると、
声帯の振動数はおよそ倍になります。

声の高さによって発声状態や声帯、
喉頭の緊張度も変わるので一概には言えないのですが、
振動数が倍になるということは
声帯には倍の数の摩擦が起こることになるので、
声帯にかかる負担も単純計算では倍になります。

例えば男女で同じ高さの声を出した時の声帯への負担が同じだとして
1オクターブ声の高さが違う二人がいたとすると、
男性が60分歌った時にかかる負担は
女性が30分歌うだけで同じ負担になるのです。

喉の緊張

高音発声をする時には喉が緊張しやすくなります。

高い声を出そうとして声帯の振動数を高めるために
喉頭周囲の力みを伴ったり、
力で息を強くぶつけて出すような発声をしてしまう方が多く、
これらが声帯の負担をさらに大きくしてしまうのです。

これらの理由から、
高い声を出す人ほど声帯にかかる負担を減らす必要があるし、
高い声を出したい人は負担の少ない高音発声を
作った方が先々を考えると都合が良いのです。

本書では声帯の負担をいかに減らしながら高い声を出すかを考えていきましょう。

女性の方が喉の負担は大きくなりやすい

性別で見ると、女性の方が喉の負担は大きくなりやすい傾向があります。

「声帯結節」という声帯表面に負荷がかかり続ける事で
出来てしまう出来物があるのですが、

男女比で見ると声帯結節を作るのは
女性が圧倒的に多くその声帯への負担の大きさがうかがえます。

女性は男性より喋るのが好きだから
声帯に負担がかかりやすい、というのもありますが、

それよりもやはり一番の理由は
声が男性より高いからという部分にあります。

声帯結節とは声帯表面に出来るタコです。
これは声帯に負担がかかるとその摩擦刺激から守るために防御反応として体が作るものです。

結節が出来てしまうと出っ張りが邪魔をして声帯が上手く合わなくなり、隙間が開いて息漏れを起こします。

隙間が開いていると声が掠れてくるので強い声が出しにくくなったり、また高音で声が割れたりします。

声帯結節は一度出来てしまうと厄介なことになることが多いため、
出来るだけ作らずにいれたらいいですよね。

ですので声の指導者としては負担の少ない発声がやはりオススメなのです。

こんな声の出し方をしている人は要注意

○歌っていると段々喉が痛くなってくる
○歌っていると段々喉が疲れてくる
○歌っていると段々声が掠れてくる
○歌っていると段々高い声が出なくなってくる

発声が良い人でも注意は必要

プロの歌手でも喉を壊してしまう理由

プロの歌手でも、声帯結節や声帯ポリープを作ってしまうことがあります。

喉の不調でライブが中止になったりニュースになることもありますよね。

彼らは発声が悪いのか?
というと必ずしもそうでもなく、

人並み以上の負担の少ない発声をしているのに
喉をおかしくすることがあるのです。

声帯にかかる負担は様々な要素が絡んできます。

プロの歌手、特に大きなステージに立つ歌手ほどプレッシャーも大きく、
日々私たちの見えない所でストレスと戦っています。

例えば仕事の多忙やストレスから睡眠不足になったり疲労も溜まります。
人間ですから風邪をひいてしまうこともあるでしょう。

でも調子が悪いからと言って気軽にライブのキャンセルなども出来ないため、
本調子じゃないのに無理をして歌ってしまい
そこから喉を不調にしてしまうケースがあります。

声帯への負担は絶対にゼロにはならない

よくボイトレに関する言葉で、

「腹式呼吸ができれば喉に全く負担はない」
「発声が良ければ結節やポリープは出来ない」

とこういう極端な言葉を聞いたりするでしょうか。

私がボイトレを昔受けていた時も、
今こうして教えていてもたまに聞く言葉です。

でもこれは真実ではなくて、
厳密にはボイトレで声を鍛えていくと

「発声の負担を減らす事が出来る」
「音声疾患の確率を減らす事が出来る」

というだけで、
発声時に声帯は振動して擦れている以上
声帯の負担をゼロに出来るわけではないし、
結節やポリープなどの音声疾患を
100%予防できるわけではないんですよね。

100%の予防が出来ない以上、
いかに発声時の負担を減らすかが重要になります。

毎日ライブをしても大丈夫な喉を作ろう

理想的なのは毎日ワンマンライブをしても平気な喉を作ることですよね。
それが出来たらプロの歌手としてはどんなに嬉しいことでしょう。

シンガーの活動を本格的にしていると、
連日ライブをしなければならないこともあります。

特に土日などの休日はアーティストにとっての稼ぎ時ですから、
ツアー中などは土日両日ライブ、なんてこともありますよね。

これが1ステージ30分程度ならともかく、
ワンマンライブとなれば90〜120分、
長ければ180分ほどの時間歌い続けなければなりません。

疲れやすい発声、声帯の負担が大きい発声をしていると
ライブ中に声が出なくなってきたり、

その日が大丈夫だったとしても
連日ライブを続けているうちに段々疲労で声は出にくくなり、
喉の調子を崩していってしまうことがあります。

また、発声が良い方でも毎日体調を完璧に整えることは出来ません。

その人のバイオリズムや心の波もあるでしょう。

音楽活動が本格的であればあるほど、
活動規模が大きければ大きいほど動くお金や人も増え、

予定のキャンセルなどは当然出来なくなります。
それに伴い精神的なプレッシャーも大きくなってきます。

しかしプロの歌手は調子が悪い時で
も歌わなければならず、

大抵そういう時に無理してしまい
声帯結節や声帯ポリープを作ってしまうのです。

少しでもそういうリスクを減らしていくためには
普段から発声にかかる声帯の負担はどんどん軽くして、
出来る限りリラックスした状態で
歌えるようにしていかなければなりません。

パワーに頼らない発声を作るということは
ただ音域を広げ高い声を出せるようにするというだけでなく、

声の調子の波を減らしいつでもあなたにとっての
絶好調な歌を歌うことにも繋がってきます。

音楽活動をしているボーカルにとっては、
それが身に付けば自分の音楽活動の飛躍にも繋がるでしょう。

人によって喉の丈夫さは違う?

人によって喉の丈夫さには個体差があります。

体を見ると分かりますが、
体の丈夫な人もいれば虚弱な人もいますよね。

知覚が鋭い人もいれば鈍い人もいるし、
炎症反応が起こりやすい人もいれば起こりにくい人もいます。

歯医者で例えると分かりやすいのですが、
麻酔をしないと絶対に嫌だという人もいれば、
麻酔をしなくても虫歯の治療が出来てしまう方もいますよね。

これは根性があるかないかという精神論よりも、
歯の神経の感度がどの程度かの話になります。

神経が過敏な方は知覚過敏と言って
痛みや染みる刺激を感じやすいし、
神経が鈍い方は痛みに強い傾向があります。

声帯の表面には近くはないのですが、
周囲には知覚神経が通っていて
その神経の感度も人それぞれ違います。

声帯周囲の知覚感度が鈍い方は
負担の大きな発声をしていても喉の痛みを感じず平気ですが、
感度が鋭い方はすぐに喉の痛みや違和感を感じてしまうのです。

じゃあ感度が鋭いと損なんじゃないか、
と思う方もいるかもしれませんが、
負担の大きな発声を繰り返すと声帯は炎症し、
声帯結節や粘膜下出血からの声帯ポリープを作る可能性があります。

ですのであまり鈍感なのも良いことではありませんよね。

また、声帯も炎症しやすい人と炎症しにくい人がいます。

どちらの方が良いとも言えないのですが、
いずれにしても人は個体差があり、あらゆる部分で違いがあります。

自分の喉が強いのか弱いのか、そこも知っていきながら、
自分の喉が最大のポテンシャルを発揮出来るように鍛えていきましょう。

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