発声

その147「力を抜く事、入れる事」

僕がレッスンでいつも生徒に言っているトレーニングの考え方として、

2つの事を常に気を配ってもらっています。

・必要のない所には力が出来るだけ入らないように

・そして必要な所にだけ力が加わるように

これは言葉で言うと簡単なんですが、

ちゃんと実践するのはかなり難しいんですよね。

しっかりやろうとしたら年月もかかります。

でもいつも意識しているとトレーニングの効果がでやすいです。

例えば「高い声を楽に出せるようにしたい」と言う場合には

簡単に書くと声帯を前後に引き伸ばす事、そして左右を閉める事が

通常必要と言われているんですが、

ピンポイントで効率良くその動作が出来ている時は

すぐに疲労してしまうような大きな力は必要なかったりします。

でもその動作の効率が悪いと

他の場所に力をかけて何とか動かそうとするので

どうしても大きな力が必要になってしまう、と言う事です。

例えで言うなら、指先でつまんで持ち上げたい物があるんだけど

指が動かないので両腕の肘ではさんで持ち上げてる感じです。

物が落ちないようにするには腕に力を入れなければいけないので

指先で持つのと比べて疲れやすいし不安定になりやすいですよね。

これが、楽に出来ている人と必死に振り絞る人の差です。

個人的には楽でも必死でも芸術としてはどっちでもアリだと思います。

一番大事なのは自分が満足して歌えてるかどうかですし。

ただ疲労が大きいという事は負担が大きいという事で、

ケガも起こりやすいという事を頭に入れておかなければいけません。

もし今より楽に歌えるように、声が出せるようになりたい、とか

喉の負担を減らしたいと思う人は少し意識してみると良いと思いますよ(^_^)v

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