喉に良いこと

喉、声の調子が悪い。そんな人が知るべき声の病気とクリニック

こんにちは、ボイストレーナーAKIRAです。

今回は、歌手や声優、役者などのボイスユーザーが喉や声の調子をおかしくなった際に知っておくと良い疾患、そしておススメの病院、クリニックについて紹介します。

声に関わる疾患は様々にありますが、
これらの疾患の中にはボイトレによる発声の改善や普段のケアによって未然に防げるものも多くあります。

治療が遅れてしまうと治りにくくなったり手間がかかってしまうものもあるので、
あらかじめ予防して未然に防ぐ事が大切です。

どんな音声疾患があるのかを知って、それらの防止や早期治療に繋げていきましょう。

 

知っておこう!主な喉の病気

声帯炎(せいたいえん)

喉の中にある声帯が何かの理由で炎症して腫れた状態になることを声帯炎と言います。
急性(短時間のうちに起こる)炎症慢性(長い時間をかけて起こる)炎症があります。

炎症が起こる原因としては、声の出し過ぎのほかに風邪をひいたりなどがあります。
また他にも、花粉症などのアレルギー症状によって声帯が炎症することもあります。

炎症して腫れると声帯は浮腫を伴い膨らんで質量が重くなるので、
基本的に声がかすれて低くなったり高い声が出にくくなります。

単なる炎症である場合は、基本的には安静にしていれば治ります。

ただし注意点ですが、
炎症している状態で発声をすると普段よりも声帯に負担がかかることが多く、
あまり無理に声を出し続けると声帯結節や声帯ポリープなどを続発させる可能性を高めます。

声帯に炎症が起こっている状態では
あまり無理に大声や高い声を出し過ぎないように気を付けましょう。

声帯結節(せいたいけっせつ)

左右の声帯表面にできる「タコ」のことを声帯結節と呼びます。

声帯結節は特に女性が作りやすく、
左右の声帯が触れ合う表面に結節があることで声帯の閉鎖が邪魔されてしまいます。

出来た結節の形や大きさ、硬さなどは出来た時によって違いますが、
「声がかすれる」
「高音が出なくなりやすい」
「ガサガサして声が割れやすくなる」

などの症状が主に出ます。

結節が出来る場所はほとんどが左右の声帯表面前3分の1の位置になります。

声帯が振動する時の表面の摩擦が強かったり、ダメージが蓄積したりなど、
長時間の発声や無理な声の出し過ぎなどが結節を作る主な原因となります。

まだ出来て間もない新鮮な結節、小さいものについては
安静療法や病院の薬で改善することが多いですが、
出来てから経過が長いものや大きいものは安静にしているだけでは消えず、
手術をしなければ取れないことがあります。

東京ボイスクリニック院長の楠山先生による報告では
発症から3ヶ月を超えると安静療法の治癒率は
40%まで下がってしまうというデータもあるため、やはり早期発見と治療が大切です。

声帯結節は徐々に時間をかけて作られるものであるため、本人が発症時期を分かりにくいというのも特徴です。

ちなみに
発症から1ヶ月以内ものであれば安静にしたり
適切な治療を受けることでその多くは自然治癒されるので、
声がかすれる、調子が悪いなどがあったら
声が治るまで休んで喉に無理をしないようにしておくとよいでしょう。

声帯ポリープ

声帯が内出血によって片方の声帯に出来てしまう、膨らんだ出来物のことを声帯ポリープと言います。

これも主に声帯への強い刺激や、無理な声の出し過ぎが原因になりますが、
声帯が内出血を起こすほどの刺激なので
ポリープが出来る時には本人が発声中に痛みを感じることも多く、
この時声帯表面にはかなり強い負荷がかかっています。

ポリープが作られる前の前駆症状として声帯粘膜下出血があります。

ポリープの大きさや出来てしまった場所にもよりますが、
この出来物が声帯を閉鎖するのを邪魔する場合はかすれや声の割れが起こります。

閉鎖を邪魔しない場所にある場合はかすれは起こりませんが、
片方の声帯の質量が重くなるため若干声が低くなったり
左右の声帯振動が非対称になって声が割れやすくなったりします。

ポリープは声帯炎や声帯結節と比べると自然治癒する確率が低く、
その多くは手術で取る方が予後は良好と言われています。

胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)

胃の中で分泌される胃酸が就寝時などに逆流して
食道や喉に上がってきてしまうものを胃食道逆流症と言います。

この疾患は英語ではGastro Esophageal Reflux Diseaseと呼ぶため
医療従事者は頭文字をとってGERD(ガード)と呼んだりもします。

胃酸の逆流によって食道や喉の痛み、喉の圧迫感などを感じたり、
胃酸が直接声帯にかかれば声帯が焼けてただれてしまうこともあります。

声帯が焼けてしまうと声帯後方に肉芽種が作られてしまうのですが、
肉芽種が邪魔をすることで声帯は上手く閉鎖出来なくなります。

これにより声がかすれて声量が出しにくくなることが多いです。

胃酸の逆流と声のかすれは無関係だと考えている方も多いので
胃酸の胸焼けなどの症状の自覚があってもそれが声に影響してると気付かず
胃酸の逆流を治そうとしない方もいらっしゃいます。

寝ている時に胃酸が逆流しやすい方は、
それによる声の影響に対しても注目してみましょう。

胃酸の逆流は暴飲暴食、就寝前の食事などで起こることが多く、
食生活を見直したり病院の内科で胃酸を抑える薬を処方されることで改善します。

心因性発声障害(しんいんせいはっせいしょうがい)

これは体や喉に何かの異常があって声が出なくなるというものではなく、
精神的な原因で声が出せなくなってしまう疾患です。

類似の疾患だと心因性の失声症などがあります。

何かショックなことがあったりトラウマ、ストレスを強く抱えることでまれに起こり、
真面目で神経質な方やストイックな方がなる傾向があります。

私も心因性発声障害の方を何例かレッスンで直接見てきましたが、
この疾患の方は声帯に息がかかるのを怖がるケースが多く、
喉は全体的に緊張が強くなっていました。

声量は小さくなり、また高音発声時に特に強い緊張を確認できます。

原因は様々ですが治療には年月を要することが多いです。

ボイストレーニングと一緒にメンタルケアなどをしていくと改善しやすくなります。

けいれん性発声障害

声帯を動かす筋肉にジストニアという筋肉のけいれんが起こってしまう神経障害です。
英語の頭文字を取り、通称SD(Spasmodic Dysphonia)とも呼ばれています。
脳の機能障害によって、声帯のコントロールができなくなってしまうもので、
原因は不明で現在様々な研究がされている所です。

SDには大きく2つのタイプがあり、
声を出した時につまったり震えてしまう内転型と、
声を出した時に不意に声が消えてしまう外転型があります。

この疾患は男女比率では内転型は女性に多く、外転型は男性に多いです。

内転型の外科治療法としては主に声帯へのボトックス注射や手術などがあります。

脳の機能障害であるためボイストレーニングの効果は出にくいのですが、
実体験として手術後の方には比較的ボイストレーニングの効果が出やすいように見えます。

声帯萎縮(せいたいいしゅく)

声帯や声帯周囲の筋肉が何らかの原因で痩せてしまうことです。
萎縮の種類はいくつかありますが、
年を取って声帯の筋肉が痩せてしまう老人性の萎縮(男性に多い)が最も多いです。

年齢に関わらず人と話さない生活をしていると委縮は起こるので
他人との交流を持たない若者などにも起こることがあります。

また、他にもまれなケースでは先天性のものなどがあります。

左右の声帯が痩せてお互いが触れ合いにくくなるので低い声がかすれたり出にくくなる
というのが声帯萎縮の一般的な症状です。

50代以降の方は声帯の筋肉が衰えてくることが多く、
特に仕事をリタイアされて他人と話す機会が少ない方などは
どんどん委縮が進んでいくことが多いです。

喉の筋肉を鍛えるボイトレも有効ですが、
他にも一部の専門の病院ではヒアルロン酸注入術などの改善法があります。

反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)

声帯の運動神経である反回神経の回路が切断
または何かの理由で脳回路との連続が絶たれてしまっている状態です。

主に甲状腺腫瘍の手術後や、
またはごくまれに外部からの衝撃によって起こることがあります。

声帯を動かす運動神経が一度切断されてしまうと
再縫合しても以前と同じように動かすことが難しいというケースが多いです。

ただ私のメソッドのボイストレーニングには
有効なエクササイズがいくつかあります。

変声障害(へんせいしょうがい)

あまり聞きなれない疾患ですが、
変声期を過ぎても声が高いままだったり、
低い声は出るものの非常に音域が狭く頻繁に裏返る状態

変声障害と呼んでいます。

罹患率は男性がほとんどです。
音声外科などでは手術をすることもありますが、
こちらの疾患はボイストレーニングも有効と考えられます。

気をつけたほうがいい、喉以外の疾患

喉以外の疾患についても紹介しておきます。

音響難聴(おんきょうなんちょう)

大音量の音を長時間、長期間聴くことで聴力が低下し難聴が起こります。
これは元々工事現場やライブハウスなど大音量で仕事をする方に起こるとされていましたが、
現代では携帯音楽プレーヤーなどの発展から
音楽をよく聴く若者にも発生しやすいようです。

そのため別名でヘッドフォン難聴イヤフォン難聴とも呼ばれています。

この難聴というのはほんの少しずつ起こっていくことも多く、
難聴になっていても自分で気づいていないケースがあるので注意が必要です。

この難聴は、聴覚の神経がマヒしたり壊れることで起こるため、
一度起こってしまうとそこからの聴力の回復は困難と言われています。

ボイスユーザーにとって耳は大切ですから、
電車の中や街中で音楽プレーヤーを聴く時は音量を控えめにするなど
心当たりのある方は気を付けておきましょう。

肋骨疲労骨折

肋骨の骨折と聞くと歌う人には関係ないように思うかもしれませんが、
ボイトレでは力任せな呼吸法などによってまれに発生します。

力を入れて強引に息を吐いていると
肋間筋などの強い収縮により肋骨に継続的に負荷がかかるため、
少しずつダメージが蓄積されて骨折するというケースがあります。

歌手の他にも歌と同じようにたくさん息を使う管楽器奏者などに多いので、
普段から歌う時などに強い呼吸、力任せな呼吸をしている方は注意しておくと良いでしょう。

また、風邪などをひいて毎日強い咳を連続しているうちに骨にヒビが入る、
なんてこともありますので気を付けましょう。

顎関節症

顎の運動異常の総称を顎関節症と言います。
罹患者は主に「あごが痛い」「あごが鳴る」「口が開けづらい」など、
顎の開閉障害やめまいなど、様々な症状を伴います。

ボイストレーニングでは
無理やり口を大きく開けるような発声や歌い方によって
まれに発生してしまうので注意しておきましょう。

罹患率は特に女性に多いです。

言葉を正確に発音するには顎を大きく動かすよりも、
舌や唇、軟口蓋などを上手く動かせるかどうかの方が重要です。

あまり顎には無理な負荷をかけないように気を付けましょう。

耳管開放症(じかんかいほうしょう)

鼻の奥と耳の鼓室という場所を繋ぐ耳管という管があり、
ここが耳の中の気圧を調整しています。

耳管開放症というのはこの耳管が何らかの原因によって開きっぱなしになってしまう状態です。

耳管が開放されるというのは日常的によくあることで、
私たちはあくびをしたり唾を飲み込むと耳管が開きます。

耳管開放症ではそれがずっと続いてしまう、
つまり耳の中が常にあくびをしているような状態になり
自分の声や呼吸音などが大きく聞こえ過ぎてしまう特徴があります。
罹患率は女性が多いです。

耳管が開放している状態では自分の声の聞こえ方が変わるため、
歌っている方は音程や声量の調整が上手くできなくなります。

ごくまれに生まれつき耳管開放症を持っているタイプもいますが
外見からは見ていても全く分からないため、
なかなか他人から理解されにくい面を持っています。

耳管を開放する筋肉のクセやストレス、その他気圧の変化などでも起こるため、
放っておくと知らないうちに治っているということもあるようです。

蓄膿症や鼻炎、上咽頭炎から併発する後鼻漏(こうびろう)

これはボイトレによって起こる疾患ではありませんが、
副鼻腔が炎症して膿が溜まってしまう蓄膿症やその他鼻炎、上咽頭炎などを持っていると
鼻腔が詰まってしまい鼻声(閉鼻声)になってしまったり、
鼻腔周囲の炎症が原因で発生したた粘液が喉の方に落ちてきて痰が絡むことがあります。

これを後鼻漏と呼んでいます。

鼻炎の原因は様々ですが、
ウイルス性の蓄膿症は全身や顔面部の血行促進や
睡眠や運動、毎日ビタミンや栄養をたくさん摂ることで改善します。

またどうしても発声や歌唱で痰が絡みやすい場合などは
耳鼻咽喉科で鼻や上咽頭などの治療を行ったりすると良いでしょう。

喉の調子がおかしい時、オススメの喉のクリニック

喉の調子が明らかにおかしくなったり、声がかすれて出ないなど、
声が不調になった時には皆さん病院へ行くことを考えると思います。

自然治癒を待つよりもお医者さんに診断と治療をしてもらえば、
声の回復も早くなりますし、また何より精神的に安心できますよね。

ただここで気を付けなくてはいけないのは、
どこの医療機関で診察を受けても同じ結果が得られるという訳ではなく、
病院によって設備が違ったり先生の腕によって診断や治療の効果に差があるということです。

ですので声を大切にしたい方や早く声を治したい方は、
声を専門に扱っている医療機関に行くことをオススメします。

声を専門にしている耳鼻咽喉科の先生は、歌手や声優、ナレーターなど“声の専門家”をたくさん治療しています。

私たちの悩みにもきちんと対応してくれる声の治療のエキスパートという感じで、
一般の病院よりもさらに正確な診断と効果的な治療をしてくれます。

声を得意分野としている医療機関は
「○○ボイスクリニック」「○○ボイスセンター」「音声外科」というように、
声にちなんだ名前をつけている場所もあるので、それが専門の医療機関を見つける一つのヒントになると思います。

そういう場所を探して選んでみるのも良いでしょう。
是非参考にしてみて下さい。

関東地方でオススメの喉のクリニック

声のクリニック こまざわ耳鼻咽喉科(赤坂)
東京ボイスクリニック(品川)
東京ボイスセンター(山王)
新宿ボイスクリニック(西新宿)
北里大学病院耳鼻咽喉科(相模大野)

関西地方でオススメの喉のクリニック

ひろしば耳鼻咽喉科(京都・松井山手)

※AKIRAが都内在住のため、おススメするクリニックの多くは都内のものとなります。
後日また追加予定。

こんな特殊な施設もある!ボイスケアサロン

都内にあるこのボイスケアサロンは声を使う方のための専門サロンです。

院長である會田茂樹先生が研究、開発されたオリジナルの喉頭クリニカルマッサージや、
専用の機器などを用いてのどの筋肉をリラックスさせたり筋肉の動きを調整をしてくれます。

また會田先生の繊細な触診によって、自分ののどにある楽器がどういう形をしているのか、
どういう特徴があるのかということを細かく知ることが出来ます。

私自身過去にスタッフとしてお世話になっていたサロンですが、
“のどの筋肉のリラックスが歌声にどれだけ重要なのか”ということを私に教えてくれた場所でもあります。

興味のある方は一度チェックしてみてください。

ボイスケアサロン(白金)

終わりに

今回はボイスユーザーが知っておくとよい疾患について書いてみました。

声帯は自分の肉体の一部ですから、
ボイトレをしたり歌っていると声の調子の良し悪しは必ず起こります。

それがなぜ起こるのか、そして起こったらどうすればいいのかを知っておくと
悪化を防いだり不安などからも解放されやすくなるでしょう。

あなたの理想の発声、理想の歌に近づけるためにお役立てください。

細かい疑問、質問、もっともっと歌を上手に、素敵に歌いたい、などあれば、体験レッスンやオンラインレッスン、書籍もありますので、お気軽にお申し込み下さいね。

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