【質問】
いつもレッスンでお世話になっております。
欧米のシンガーと日本のシンガーの歌声の違いについて質問させて下さい。
どちらが良い悪いは無いと思いますが、
日本人と欧米人の歌声に違いを感じています。
以前私が憧れのシンガーの様な歌声にならないと悩んでいた時に、
先生に声質というよりは言葉の発音の仕方が違うから声に違いを感じる
とアドバイスをして頂きました。
それと、同様で欧米のシンガーとの歌声の違いは声質よりも、
言葉の発音や言い方の違いが大きいんじゃないかな?
と思ったのですがどうでしょうか?
お忙しいとは思いますが教えて下さい。
宜しくお願いします。
【回答】
欧米のシンガーと日本のシンガーの違い、差というのは
昔からよく言われていますよね。
実際は私が聴いている感じだと
日本と欧米という二つのくくりだけでなく、
例えばイタリア人らしい歌声、ドイツ人らしい歌声、
中国人らしい歌声、韓国人らしい歌声、フィリピン人らしい歌声というように、
それぞれの国によって何となく発声や歌声に傾向があり、
特徴の違いがあるように感じます。
この違いはいったい何から生まれているのか色々な説がありますが、
私は一つ可能性が高いのは言語の差だと見ています。
言葉の発音、話し方には
舌や軟口蓋の位置や動きが大きく関係しています。
そしてもう一つ、
声質を作るという部分についても
舌や軟口蓋の位置や動きが共鳴腔の形作りとして関係しています。
つまり、言葉を作っている部分と
声質を作っている部分はある程度共通している所があるため、
言葉の言い方を変えると
話し声う歌声の質もまた変わるという面があるのです。
また、もう一つは話し方や文化面の違いもあります。
人種によって声のイントネーションや高低の抑揚の大きさなどに違いがあり、
それもその人々の発声作りに影響していると言われていますが
例えば日本人と比べると
英語圏の人の方が表現が大げさで抑揚も大きくつける傾向があり、
会話の中で使う音域が広かったり音色が多かったりします。
(ただ日本人も昔より会話の表現は多彩になってきているようです)
昔イギリス人の友人数人と話していた時を思い出しても、
全員話し方の声の高低の抑揚が大きくて
表現が日本人と比べてオーバーだった記憶があります。
日常的に会話で使う音域が広かったり音色の種類が多ければ
声帯や喉頭の筋肉もその分沢山動くため、
自ずと発声は良くなりやすいでしょう。
その会話する頻度が高ければ尚更です。
ですのでこの人種の声になりたいと思ったら、
その言語を習得してその人種の方々と
たくさん会話するのもいいかもしれませんね。
私たちは相手の話し声などにも影響を受けていますから、
年月かけていれば相手の声にも自然に少しずつ近づいていくでしょう。
ということでまだまだ書けることはありますが、
質問の答えをお伝えすると
声帯の形、振動の仕方などによって変化する部分と
共鳴腔の形によって変化する部分があるため、
言葉の発音や言い方の違いは
あるとも言えるし、ないとも言えます。
ただそれと同時にその人の持つ声帯の形状や大きさ、
それから声道上の骨格によって共鳴腔は変わりますから
それらが声質に影響を与えている部分ももちろんあります。
というようにこの辺については
どれか一つの要素で決まるものではないので
一概には言えないんですよね。
声質や歌い方については
仰る通りどちらが良いか悪いかという話ではないと思います。
芸術の価値は誰が評価するか、
どれだけ多くの人が評価するかで価値が決まりますから、
その価値観や好みが様々にある以上正解もたくさん存在しています。
大事なことは「自分が何を目指し、どうなりたいか」ですね。
そして信念を持ってそこに突き進んでいくことだと思います。
参考にしてみてください。
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