【質問】
こんにちは!
〇〇です。
いつもメルマガ楽しく拝見してます。
有益な情報有難うございます。
アキラ先生は歌唱時機能性発声障害について
メルマガで少し書かれていましたが、
音声疾患の原因や治し方は大体みんな同じなのでしょうか?
ご回答よろしくお願いします!
【回答】
いえ、どんな疾患でも全く同じという事はなく、
それぞれに細かい違いがあります。
いくつか例を出してみますね。
声帯炎は
「声帯が急性、または慢性的に炎症を起こした状態」
というものですが、
過度の発声による声帯の振動摩擦による炎症反応、
風邪などに罹患、ウイルスの感染、侵入により起こる炎症反応、
就寝時の胃酸の逆流で声帯表面付着による炎症反応、
ハウスダストや花粉、食物、動物などのアレルギーから起こる炎症反応など
これらは全て声帯炎の発生機序ですが、
内容を見ても分かるように炎症が起こる原因が全て違っています。
風邪とアレルギーは治し方は全然違いますし、
声帯の酷使が炎症の原因であれば
これもまた違った治し方になりますよね。
ですので細かく見ると同じ状況とは言えないのです。
炎症の度合いや声帯がどれだけ腫れるかもその時々で違いますしね。
また、例えば声帯結節という
声帯粘膜表面にタコが出来て閉鎖不全を起こす音声疾患がありますが、
これもどのくらいの大きさ、硬さ、角度の結節が出来ているのかに個人差があり、
その結節の状態によって発声時、歌唱時に起こる症状には違いが出ます。
声帯結節を持っているプロ歌手の方でも
さほど歌に影響がないと判断してそのまま放置する方もいますし、
結節による発声や歌唱の支障が大きくて本格的な治療をする方もいます。
という感じで、
この疾患になったから
必ずみんな同様にこうなるという訳ではなく、
ドクターも私たちも
「一般的にこうなる事が多い」
という所で判断しているのです。
(ただドクターは内視鏡で声帯を観察する事でより詳しく診断出来ます)
実際どうなるかはその人の発声の状況や
その時に出来た疾患の状況によってそれぞれ違うため、
私はレッスン内では発声を聞いたり話を聞いて
より少しでも正確に判断できるようにしています。
ちなみに質問で出して頂いた歌唱時機能発声障害も
私が知る限り稀な疾患で、
罹患者はそこまで多くないでしょう。
そして他の疾患と同じように、
その発生原因や症状も細かく見ると人それぞれ違うと思います。
罹患者が少ないという事はデータが少ないという事なので
治療法の確立も難しいですし
その治療法を行ってどこまで改善するかという部分についても
より個人差が大きいのではないかと見ています。
音声疾患は声帯炎程度でしたら
生きていれば誰しも必ずなるものですし、
通常の声帯炎は安静にしていれば大体治るものです。
ただ音声疾患の種類によっては
なかなか治りにくいもの、治らないものもあり、
それを治療、克服するのに四苦八苦している方もいます。
私も仕事上様々な疾患の方に巡り合いますが、
その疾患を持った人にしか分からない苦労があります。
限られた時間や情報の中で
こちらも出来るだけサポートできるように
レッスンでは色々手を尽くしていますが、
やはり多くの疾患は
早期発見がより予後を良くしているように見えます。
自己判断も簡単ではないですが、
もしご自身の声がおかしいなと感じたら
早めに声専門のクリニックを受診してみたり
音声疾患に詳しいボイストレーナーなどに
一度相談してみるといいかもしれませんね。
参考にしてみてください。
3オクターブは当たり前! 喉に優しい魅惑のハイトーンボイス養成メソッド
¥1,620
Amazon.co.jp
東京中野区のボイストレーニングスクール
IPC VOICE STUDIO◆都内で対面レッスンの他、全国でオンラインレッスンが受講可能です。
レッスンや各種お問い合わせはこちら
◆当スクールHPです。
IPC VOICE STUDIOオフィシャルHP
この記事へのコメントはありません。